温度ひび割れが起きる2つの理由
温度ひび割れ(セメント水和熱による)
コンクリート部材の内外の温度差が大きい場合に温度ひび割れが起こりやすいです。
また、既にあるコンクリートの上に新たにコンクリートを打設する場合にも温度ひび割れは起こりやすいです。
今回は、この起こりやすいケース2つ、内部拘束と外部拘束について解説します。
①内部拘束による場合
- コンクリートの温度は中心部の方が表面部よりも高くなります。
- 理由としては、表面部の方が熱が放射されやすいためです。逆に中心部はコンクリートに覆われているため、熱が逃げにくいからです。
- 結果的に、表面部は放熱により収縮しますが、中心部は熱いままなので収縮は未だ起きません。
- 表面部のみ収縮するため、表面部に引張応力が生じて、不規則にひび割れが発生します。
- これが内部拘束における温度ひび割れの発生原因です。
- なお、この段階では、中心部までは進展しない=貫通しない状態にあります。
②外部拘束による場合
- 既設したコンクリートの上に、新たにコンクリートを打つ場合を想定します。
- 新たに打設したコンクリートが温度収縮しようとするとき、下部の既設コンクリートは新設コンクリートに比べて温度収縮がある程度済んでいます。
- よって、既設コンクリートは収縮しない=動かない。それに対して、新設コンクリートは収縮しようとする=動こうとします。
- このとき、新設コンクリートは既設コンクリートに拘束されるため、新設コンクリートに規則的にひび割れが発生します。
補足
- 型枠の脱型直後に発生しやすい。これは型枠が外れてコンクリート表面部の熱が放射されやすくなるためです。
- 外気温にコンクリート温度が近づくと、ひび割れの進展は収束する
- ①について、コンクリート断面が厚いほど、温度ひび割れは発生しやすい。これはコンクリート断面が厚いほど内部の熱は下がりにくく、表面部との温度差が大きくなるためです。
対策方法
コンクリートの打込み温度を低くすることで、温度ひび割れが起こりにくくなります!
さいごに
コンクリート診断士試験の問題集や参考書で何があるか気になる方は、こちらも参考にしてください。
難しい試験ではありますが、試験勉強がんばってください!応援してます!