記述式の傾向と対策【コンクリート診断士】
どんな問題が出るの?
(このページでは選択肢問題について簡単に紹介し、記述式問題について詳しくお話しします。)
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コンクリート診断士試験の解答時間は3時間。
3時間と聞くと長いと感じるかもしれませんが、問題のボリュームが多いので、あっという間です。
(むしろ短すぎると感じましたww)
問題形式は2種類です。
- 選択肢(4択)問題
- 記述式問題
1.選択肢(4択)問題
以下についての知識が必要となります。
- 様々な劣化の原因とメカニズム
- 調査・分析に用いる機器や器具
- 補修工法・補強工法
問題集を見ればわかるのですが、これらについて試験によく出るテーマをある程度絞ることができます。
また、重点テーマ別のノートの内容を本ブログ随時アップしています。サイトマップからご覧ください。
さて、今回は記述式問題について詳しくお話しします!
※2019年度から記述式問題はAが無しになりましたが、本記事では記述式Bで出題された「劣化の原因と対策」についてもポイントを書いておりますので、良かったら最後まで読んでください。
2.記述式問題
A.コンクリート構造物の診断の意義、コンクリート診断士の役割や資質について
出題の背景は毎年異なりますが、本質は変わりません。
また、診断士の役割や資質についても毎年同じような内容です。
※2019年度から記述式問題はAが無しになりました。
問題が同じような内容ということは、必然的に解答も同じになります。
そのため、試験問題集の解答例を参考にして、事前に解答を作っておきましょう!
この問題は、確実に点を取りに行ける問題です!必ず準備することをおすすめします!
記述のポイントは以下になります。
①背景部
○これまで
- 現在までに膨大なコンクリート量が施工されてきた
○これから
- 限られた資源の節約、環境負荷の低減、社会貢献度の大きさが求められる
- つまり、構造物の長寿命化が大切
②診断士の役割や資質
○役割
- 様々な知識と高い技術力で、構造物の機能を維持し、再生することが使命であり、社会的役割である
○知識と技術力
- 劣化の原因とメカニズムの把握
- 現在の劣化程度の判定
- 今後の劣化程度の予測
- 劣化に対して適切な補修・補強工法の選定
- 定量的に判定、予測するための機器の選定と使用
- 測定や分析の技術力
- 構造力学の知識
○姿勢
- 新たな技術と知見から、点検・診断の技術力向上
- 自己研鑽と人材育成
- みんなで得意分野を高めあい、弱点を補い合う
B.劣化の原因と対策
建築と土木の2種類の問題から1問選ぶことになります。
ポイントは、受験者の方が得意な「劣化のパターン」が出題されている問題を選ぶこと!
自分は建築の仕事をしているから、という理由で建築を選ぶ必要はありません。
大切なのは、診断士として劣化の原因を見極め、適切に対策することができるかを記述することです。
○記述のポイント
- 写真や問題文から得られる情報をもとに、劣化の原因とメカニズムを推定(複数の原因が候補として挙がることもあります)
- 劣化の原因とメカニズムを絞り込むための調査や分析の記述
- 見極めた劣化の原因とメカニズムに対して、必要な補修・補強工法を選定
- 補修・補強工法の選定にあたっては周辺環境も考慮すること(例:歩道上→第三者災害防止→落下防止)
これらの内容を論理的に記述する!
記述式論文の解答文を準備するにあたり、試験問題集は、以下の観点で購入することをお薦めします。
- 試験の傾向を把握するためにも最新版であること。
- 5年分くらいの過去問と解答がある。
- さらには各問題の解説も記載があること。
勉強方法や試験対策のポイント
こちらに記載してます。ぜひ読んでください!
劣化パターン別の解答文
試験の準備をした時のノートも今から紹介しますね!お役に立てば幸いです。
記述式論文の解答は何を書いたか?
記述式問題
解答内容
- 内陸であること、及び粗骨材が川砂利を使用していることから、塩害の可能性は低い
- 温暖な地域であることから、凍害の可能性も低い
- 一方で、完成年1975年であり40年以上供用されていること。写真より、鉄筋方向に剥落が生じており、鋼材腐食も見られることを踏まえると、中性化が原因と考えられる
- ただし、剥落箇所の写真より、骨材の周りに白い析出物が見られるため、アルカリシリカ反応の可能性も捨てきれないため、確認が必要である
- アルカリシリカ反応の確認には、走査型電子顕微鏡などを用いてASRゲルの有無を確認する
- 中性化の進行を把握するために、フェノールフタレインを用いた中性化試験を行う。
- 中性化予測式を用いて、中性化の程度を把握する
- 鋼材腐食は構造物の耐力に影響を与えるため、再アルカリ化工法または断面修復を行う
- 鉄筋かぶりが小さい場合は断面増厚を行う
- 鋼材の腐食が著しく、耐力の低下が見られる場合は補強工事を行う
- 桁下が歩道などの場合は第三者災害防止のために剥落防止対策も検討する必要がある
- 桁上面にひび割れが見られ、桁下面にもひび割れが見られる。よって、貫通している可能性も考えられ、空気や水の侵入は鋼材腐食を促進させてしまうため、対策が必要である
- 桁上面は、アスファルト舗装を打ち替える
- 桁下面は、ひび割れ注入工にて補修する。
- 写真より、疲労初期におけるひび割れも見られるため、長期にわたって供用することを考えると補強工事も検討する必要がある
さいごに