【まとめ】ひび割れのパターン一覧


ひび割れの発生原因別

ひび割れが発生する原因は複数あります。
大別すると、施工初期のひび割れ、経年劣化によるひび割れ、構造的な原因によるひび割れですね!
これらを細かく区別したものが以下になります。
  • 乾燥収縮
  • 温度変化の繰り返し
  • アルカリシリカ反応
  • 凍結融解作用の繰り返し
  • 施工不良
  • 水和熱(主にマスコンクリートにて)
  • 鉄筋腐食(詳細は以下に記載)
  • 火災ひび割れ
  • 構造ひび割れ(曲げ、せん断)
  • 過荷重(大たわみ)
  • 地震、基礎(不同沈下)

鉄筋腐食の種別

1.鋼材腐食先行型
メカニズムの流れを簡単に示しますね!
中性化、塩害が発生
 →腐食
  →錆膨張
   →ひび割れができる
2.ひび割れ先行型
ひび割れができる
 →劣化因子侵入(CO2、H2O)
  →腐食
   →錆膨張
3.劣化ひび割れ
アルカリシリカ反応、凍害、化学的侵食、疲労の発生
 →ひび割れができる
  →劣化因子侵入(CO2、H2O)
   →腐食
    →錆膨張

ひび割れのパターン(劣化因子以外の場合)

1.沈下ひび割れ
打込み後、数時間以内に発生

2.温度ひび割れ
打込み後、数日間以内に発生

3.乾燥収縮ひび割れ
打込み後、数ヶ月以降に発生

4.自己収縮に起因するひび割れ

ひび割れのパターンの解説

1.沈下ひび割れ

【原因
コンクリートのブリーディング
→コンクリート沈下
    ①鉄筋による拘束
        →鉄筋直上に沈下ひび割れ
    ②型枠による拘束
        →型枠近傍に水平方向の沈下ひび割れ

【補足】
水セメント比W/C:大
 →ブリーディング量:多い
  →沈下ひび割れ発生しやすい

【対策】
ブリーディングの終了時間に、タンピング実施
※タンピング…コンクリート表面をタンバーで繰り返し叩き、締め固めること


2.温度ひび割れ(セメント水和熱による)
【原因】
  • コンクリート部材の内外の温度差:大
  • コンクリート部材温度が水和熱により上昇し、その後放射して、内部温度が低下

①内部拘束による場合
     温度:中心部>表面部
      →表面部は放熱により収縮
          →表面部に引張応力
              →不規則にひび割れ発生
      ※中心部までは進展しない=貫通しない

②外部拘束による場合
        温度収縮
         →下部の既設コンクリートが拘束
            →規則的にひび割れ発生

【補足
  • 型枠の脱型直後に発生しやすい
  • 外気温にコンクリート温度が近づくと、ひび割れの進展は収束する
  • ①について、コンクリート断面が厚いほど、温度ひび割れは発生しやすい

【対策】
コンクリートの打込み温度を低くする


3.乾燥収縮ひび割れ


【原因】
コンクリート中の水分が蒸発
→コンクリートが収縮する
    →このときに拘束力が発生すると…
      →引張応力発生
          →ひび割れ発生

【対策】
単位水量を減らす

【補修】
乾燥収縮ひび割れは長期にわたるため、発見後即座に補修せず、2〜3年後に補修する方が良い


【補足】
建築物に入るひび割れの種類と覚え方も解説しますね!
頻出問題です。覚え方の参考に!

・窓枠の角から外向きのひび割れ
 →乾燥収縮

・建築物の4隅に内向きのひび割れ
 →温度影響

・一方向かつ複数のひび割れ
 →沈下


4.自己収縮に起因するひび割れ
【原因】
セメントペーストの骨格形成後、セメントの水和反応
→ペースト中の水分を消費
    →このときに拘束力が発生すると…
        →引張応力発生
           →ひび割れ発生

【対策】
水セメント比W/Cを大きくする
※この現象はCが支配的。Cが大きいほど、つまりW/Cが小さいほど、収縮量は大きくなるため


さいごに

コンクリート診断士試験の問題集や参考書で何があるか気になる方は、こちらも参考にしてください。


難しい試験ではありますが、試験勉強がんばってください!応援してます!



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