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合格者の解答例!塩害・中性化の記述式論文

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  合格者の解答例!記述式論文の模範解答 コンクリート診断士試験に合格した際に、事前に準備していた解答例をポイントを抑えて解説します。 今回は塩害と中性化の2つの劣化のメカニズムが複合している場合についてです。 全体論として、記述式論文の問題に出るテーマは何が出るかはわかりませんが、今回紹介する塩害や中性化はメジャーなテーマになります。 そのため、主要なテーマの解答例は確実に準備しておきましょう! コンクリート診断士試験の準備や過去問を解く際の参考にして頂ければ幸いです。 ※ アフィリエイト広告を利用しています。 ①変状からの推察 1980 年代より前に建造 → コンクリートの塩分総量の規制前である。 内陸部の構造物で、鉄筋腐食、ひび割れなどが全体的に発生 → 局所的な原因ではなく、全体的な発生であるため、環境や材料が原因と考えられる。   →内陸部のため、塩分を含む海風などの外部因子は考えづらい。 ⇒よって、内在塩分(海砂)による塩害と中性化が原因と推察できる。 ②詳細な調査 塩化物イオンの調査(塩化銀沈澱法・硝酸銀滴定法など) → 原因特定および今後の鉄筋の腐食を判断する。 自然電位法 → 鉄筋の腐食状況の把握する。 中性化深さの測定(コア試験 or ドリル法) 中性化深さの測定では、フェノールフタレインの 1% 濃度溶液を用いる 鉄筋かぶりの測定 ⇒なお、鉄筋かぶりが十分であれば、中性化が原因でなく、内在塩分(海砂)による塩害が原因と判断できる ③対策 中性化抑止対策と公衆災害防止の2点で考える。 (1)中性化抑制 コンクリートの中性化が懸念される場合、再アルカリ化工法や脱塩工法にて中性化を抑制し、コンクリートのアルカリ性を回復する (2)公衆災害防止 鉄筋の腐食、膨張により、コンクリートの剥落が懸念される場合、繊維補強コンクリートによる断面修復または剥落防止シート接着による表面保護を行い、コンクリート片の落下を防ぐ なお、鉄筋の腐食が著しく断面が欠損している場合や変状面積が大きい場合など、劣化の程度が大きいと判断できるときは、構造安定性の観点から、補修だけでなく補強工事についても検討する。 さいごに 解答時のポイントを紹介しました。 試験勉強の参考になれば幸いです。 ちなみに試験問題集は、以下の観点で購入することをお薦めします。 試験の傾向を把握するためにも

合格者の解答例!塩害・凍害の記述式問題

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合格者の解答例!記述式論文の模範解答 コンクリート診断士試験に合格した際に、事前に準備していた解答例をポイントを抑えて解説します。 記述式論文の問題に出るテーマは何が出るかはわかりません。 どのようなテーマが出ても解答できるよう、主要なテーマの解答例は確実に準備しておきましょう! また、コンクリート診断士の過去問を解く際の参考にもした頂ければ幸いです。 ※ アフィリエイト広告を利用しています。 ①変状からの推察 スケーリングの発生 → 凍害の可能性 積雪寒冷地帯 → 凍結防止剤による塩害の可能性 1980 年以前の建造 → コンクリートの塩分総量の規制前 鉄筋の腐食が発生 → 上記より凍害や塩害の可能性が高いが、中性化の可能性も残る ⇒塩害と凍害の複合劣化の可能性が高いが、中性化の可能性も考えられる。 ②詳細な調査 塩化物イオンの調査(塩化銀沈澱法・硝酸銀滴定法など) → 原因特定および今後の鉄筋の腐食を判断 自然電位法 → 鉄筋の腐食状況の把握 中性化深さ測定(コア試験 or ドリル法) → 原因把握のため ※ フェノールフタレインの 1% 濃度溶液 鉄筋かぶりの測定 ⇒鉄筋かぶりが十分であれば、塩害と凍害の複合劣化と判断できる ③対策 中性化抑制対策と凍結防止剤対策の2点で考える (1)中性化抑制対策 塩化物イオン Cl- が多い場合、脱塩工法にてコンクリートのアルカリ性を回復する (2)凍結防止剤対策 排水処理を適切に行うまたは排水設備を設けることで、凍結防止剤の滞留を防ぎ、コンクリートの塩害を防ぐ。 さいごに 試験準備として作成した解答時のポイントを紹介しました。 試験勉強の参考になれば幸いです。 ちなみに試験問題集は、以下の観点で購入することをお薦めします。 試験の傾向を把握するためにも最新版であること。 5年分くらいの過去問と解答がある。 さらには各問題の解説も記載があること。 上記の要件を満たす問題集のうち、こちらの問題集が非常に使いやすかったです。  ⇒ Amazon ⇒ 楽天 コンクリート診断士試験の問題集で他に何があるか気になる方は、こちらも参考にしてください。 コンクリート診断士試験の書籍は受験者数が限られるのか、入荷待ちやメーカー取り寄せになりやすいです。 必要な勉強グッズは早めに準備しましょう! 短い試験時間で解答を書くには、劣化の種類ごと

合格者の解答例!アルカリシリカ反応の記述式論文

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合格者の解答例!記述式論文の模範解答 コンクリート診断士試験に合格した際に、事前に準備していた解答例をポイントを抑えて解説します。 記述式論文の問題に出るテーマは何が出るかはわかりません。 どのようなテーマが出ても解答できるよう、主要なテーマの解答例は確実に準備しておきましょう! また、コンクリート診断士の過去問を解く際の参考にもした頂ければ幸いです。 ※ アフィリエイト広告を利用しています。 ①変状からの推察 1980年代以前に建造 躯体に亀甲状のひび割れ 鉄筋方向と並行して生じているひび割れ →アルカリシリカ反応によるコンクリートの膨張と推察 ※1980年代までアルカリ反応骨材の規制なし ⇔1980年代以前はアルカリ反応骨材を使用した可能性あり ※アルカリ反応骨材は水分の供給により膨張する ⇔問題文の中に漏水の記載もあれば要注意! ②詳細な調査 以下の調査を行い、アルカリシリカ反応の特徴を有するか確認する。 ◯コアの採取 反応生成物の確認…走査電子顕微鏡またはEPMA等を使用 膨張量の測定…促進膨張試験の実施 ◯鋼材の健全性の確認 腐食の程度を確認 ※アルカリシリカ反応による変状→水の供給や空気と触れている可能性ある→腐食の恐れある 【解説】詳細な調査に関する知識 ◯アルカリシリカ反応の特徴 ・コアの断面の骨材周辺に反応リムやゲル、ひび割れが生じることが多い。 ・走査電子顕微鏡やEPMA等を使用して確認する。 ◯骨材の判定 ・骨材にアルカリシリカ反応性試験法を行う。 ・アルカリ濃度の減少量と溶解シリカ量を測定し、アルカリ反応骨材か否かを判断する。 ③今後の劣化進行の予測 促進膨張試験により、残存膨張量を測定。 ④対策 ◯残存膨張量が多い場合 水分供給の阻止が必要→ひび割れ補修 ◯強度不足、耐力不足の場合 外側に鉄筋を配置し、増厚コンクリートの施工 せん断補強を目的に、炭素繊維を設置 さいごに 解答時のポイントを紹介しました。 試験勉強の参考になれば幸いです。 ちなみに試験問題集は、以下の観点で購入することをお薦めします。 ※ アフィリエイト広告を利用しています

記述式の傾向と対策【コンクリート診断士】

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どんな問題が出るの? (このページでは選択肢問題について簡単に紹介し、記述式問題について詳しくお話しします。) ※ アフィリエイト広告を利用しています。 コンクリート診断士試験の解答時間は 3 時間。 3 時間と聞くと長いと感じるかもしれませんが、問題のボリュームが多いので、あっという間です。 (むしろ短すぎると感じました ww ) 問題形式は2種類です。 選択肢( 4 択)問題 記述式問題 1. 選択肢( 4 択)問題 以下についての知識が必要となります。 様々な劣化の原因とメカニズム 調査・分析に用いる機器や器具 補修工法・補強工法 問題集を見ればわかるのですが、これらについて 試験によく出るテーマをある程度絞ることができます。 また、重点テーマ別のノートの内容を本ブログ随時アップしています。 サイトマップ からご覧ください。 さて、今回は記述式問題について詳しくお話しします! ※ 2019 年度から記述式問題は A が無しになりましたが、本記事では記述式 B で出題された「劣化の原因と対策」についてもポイントを書いておりますので、良かったら最後まで読んでください。 2. 記述式問題 A. コンクリート構造物の診断の意義、コンクリート診断士の役割や資質について 出題の背景は毎年異なりますが、本質は変わりません。 また、診断士の役割や資質についても毎年同じような内容です。 ※ 2019 年度から記述式問題は A が無しになりました。 問題が同じような内容ということは、必然的に解答も同じになります。 そのため、試験問題集の解答例を参考にして、事前に解答を作っておきましょう! この問題は、確実に点を取りに行ける問題です!必ず準備することをおすすめします! 記述のポイントは以下になります。 ①背景部 ○ これまで 現在までに膨大なコンクリート量が施工されてきた ○ これから 限られた資源の節約、環境負荷の低減、社会貢献度の大きさが求められる つまり、構造物の長寿命化が大切 ②診断士の役割や資質 ○ 役割 様々な知識と高い技術力で、構造物の機能を維持し、再生することが使命であり、社会的役割である ○ 知識と技術力 劣化の原因とメカニズムの把握 現在の劣化程度の判定 今後の劣化程度の予測 劣化に対して適切な補修・補強工法の選定 そのために … 定量的に判定、予測するための機

記述式論文の解答例文【合格した時こう書きました】

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記述式論文の解答は何を書いたか? 私が試験に合格した時の記述式論文の解答内容を紹介します。 一言一句覚えてはいませんが、書いたときのポイントを箇条書きで記載しますね。 試験勉強や模範解答の参考になれば幸いです。 ※ アフィリエイト広告を利用しています。 記述式問題 温暖な内陸部にあるPC単純プレテンションホロー桁橋に、写真1〜5に示す変状が認められた。 問1…桁コンクリートの変状の原因およびその原因を推定した理由を述べなさい 問2…問1を踏まえて、この橋りょうを今後50年間供用するために必要な調査項目と対策について述べなさい ◯諸元 型式:PC単純プレテンションホロー桁橋 橋長:18m 設計活荷重:T20(1等橋) プレキャストコンクリートの設計基準強度:500kgf/cm2 細骨材:山砂 粗骨材:川砂利 PC鋼材(主方向):1T12.4mm PC鋼材(横方向):1T21.8mm 完成年:1975年 解答内容 問1 内陸であること、及び粗骨材が川砂利を使用していることから、塩害の可能性は低い 温暖な地域であることから、凍害の可能性も低い 一方で、完成年1975年であり40年以上供用されていること。写真より、鉄筋方向に剥落が生じており、鋼材腐食も見られることを踏まえると、中性化が原因と考えられる ただし、剥落箇所の写真より、骨材の周りに白い析出物が見られるため、アルカリシリカ反応の可能性も捨てきれないため、確認が必要である アルカリシリカ反応の確認には、走査型電子顕微鏡などを用いてASRゲルの有無を確認する 問2 中性化の進行を把握するために、フェノールフタレインを用いた中性化試験を行う。 中性化予測式を用いて、中性化の程度を把握する 鋼材腐食は構造物の耐力に影響を与えるため、再アルカリ化工法または断面修復を行う 鉄筋かぶりが小さい場合は断面増厚を行う 鋼材の腐食が著しく、耐力の低下が見られる場合は補強工事を行う 桁下が歩道などの場合は第三者災害防止のために剥落防止対策も検討する必要がある 桁上面にひび割れが見られ、桁下面にもひび割れが見られる。よって、貫通している可能性も考えられ 、空気や水の侵入は鋼材腐食を促進させてしまう