【中性化】劣化のメカニズム・評価・予測
はじめに
試験勉強の際に作成した、まとめノートの内容を反映しました!
中性化とは
- 大気中のCO2がコンクリートの空隙に侵入
→そうすると、細孔溶液のpHが低下
→コンクリート内部の鋼材が腐食
- 細孔溶液について
- コンクリート中の塩化物イオンCl-は、①細孔溶液中に含まれる可溶性のCl-と②フリーデル氏塩として固定されている不溶性のCl-の2つある
- 中性化を受けると、フリーデル氏塩が分解され、Cl-が放出される
- 放出されたCl-は未中性化領域に移動する
- なお、その場合、表面のCl-濃度は以前より小さくなり、内部のCl-濃度は以前より大きくなる
【補足】
- セメント中のアルカリ量…Na2O、K2O
- セメントの水和生成物…Ca(OH)2
- Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
- CaCO3…炭酸カルシウム
- つまり二酸化炭素と反応すると、炭酸カルシウムと水が生成される
中性化の確認方法
- フェノールフタレインの1%濃度溶液を用いて確認する
- フェノールフタレイン溶液はアルカリ性を示すと、赤紫色に呈色する特徴がある
- つまり赤紫色でなければ中性化している
- 中性化が検出されない部分を中性化残りという
- 一般に中性化残りが10mm程度になると鋼材腐食が始まる
- なお、Cl-の影響を受ける場合は、中性化残りが20mm程度で鋼材腐食が始まる
中性化深さの測定方法
主に2つある。
- ドリル法による測定
- ドリルで孔をあける際に生じる粉末を、フェノールフタレイン溶液で濡らした試験紙にあてる
- 赤紫色になるまでの孔の深さが中性化深さとなる
- 注意点は粗骨材の寸法を考慮すること。
- コアによる測定
- フェノールフタレイン溶液で呈色する
- 鮮明な赤紫色の部分までを測定する
- 注意点は、コアを乾燥状態に保つことと、保管はラッピングすること
- 骨材があった場合は、骨材の端部を直線で繋ぐ
中性化の予測
- 中性化速度は√t則で計算できる
- C:中性化深さ
- A:中性化速度係数
- t:経過時間
- C=A√tで計算できる
- 中性化予測の例題
- 建設からの経過年数X年、中性化速度係数Aとし、20年前の中性化深さ12mm、現在の中性化深さ18mmの場合
- 12=A√(X-20)
- 18=A√X
- 上記を連立方程式で解くことで、AないしXを求められる
中性化深さが鉄筋かぶりを超える確率
- 鉄筋かぶりx=50mm、中性化深さ平均値μ=30mm、標準偏差σ=10mmの場合
- Z=(x-μ)/σ=(50-30)/10=2.0となる
- よって、中性化深さが鉄筋かぶりを超える確率はZ=2.0の外側確率となる
中性化に関する補足いろいろ
- 中性化速度
- 相対湿度40〜60%で速くなる
- 温度が高いほど速くなる
- セメント種別の違い(同一のセメント比の場合)
- 中性化速度
- 普通ポルトランドセメント<高炉セメント<フライアッシュ
- 塩化物イオン拡散係数
- 普通ポルトランドセメント>高炉セメント>フライアッシュ
- 応力腐食…応力を受けていると腐食速度は速くなる
- 中性化と変状の関係
- 中性化により、表面が薄く剥離することはない。
- おおよそ、鉄筋かぶりまでの厚さが剥離する。
最後に
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