【アルカリシリカ反応】劣化のメカニズム・評価・予測

アルカリシリカ反応とは

  • コンクリート中のアルカリ成分(Na2OK2O)と骨材中の反応成分(反応性骨材)反応生成物
  • 反応生成物アルカリシリカゲル(白色のゲル)
  • 反応生成物+吸水膨張ひび割れ


アルカリシリカ反応による外観

  • 無筋の場合、かぶり大の場合
    • 拘束が小さいので、網目状または亀甲状のひび割れが生じる
  • 有筋の場合、かぶり普通の場合
    • 拘束が大きいので、鉄筋方向に規則性のあるひび割れが生じる

RCPC(プレストレスコンクリート)の場合が多い


【補足】

    • 鉄筋に直行してひび割れようとするということは、コンクリートは鉄筋方向に引張力がかかるということ
    • ただ、鉄筋方向の引張力は鉄筋が受け持てる
    • なので、「鉄筋に直行する方向でなく、鉄筋方向にひび割れが入るのだな」と考えると覚えやすい!
  • ひび割れ等から白色のゲル状物質の析出


【補足①】

    • 反応の進展は水や温度に影響される。つまり、風雨や日照の影響を受ける
    • 例えば、温度が高いと反応は進みやすい
    • 膨張率は反応性骨材の量に比例するわけではない


【補足②】アルカリシリカ反応の歴史

  • 1980年代にアルカリシリカ反応の抑制のために規定化がされた
  • 主な規定はアルカリ総量の基準や安全と認められる骨材の使用など


【補足③】アルカリシリカ反応に似た変状

  • アルカリ炭酸塩反応
  • 日本ではほとんど確認されない


アルカリシリカ反応の確認方法

  • コアの断面の骨材周辺に反応リムやゲル、ひび割れがないか見る
  • 確証を得る場合は偏光顕微鏡による骨材鑑定を行い、有害な鉱物の有無を調査する


アルカリシリカ反応の判定法

  • 以下の4つの方法がある


アルカリシリカ反応の判定法①

  • コアから採取した骨材に対して、アルカリシリカ反応性試験法(化学法)により、アルカリ濃度の減少量と溶解シリカ量を測定し、判定する
    • アルカリシリカ反応性試験法(化学法)…JIS A 1145
  • 判定の結果、「無害でない」場合、アルカリシリカ反応抑制対策orモルタルバー法による試験を行う


アルカリシリカ反応の判定方法②

  • コアを用いて促進膨張試験を行い、残存膨張率の結果にて判定する
  • 促進膨張試験は3種類ある
    • JCI-DD2
    • デンマーク法
    • カナダ法

【補足】

  • コアを用いて圧縮強度試験や静弾性係数試験を行い、圧縮強度の低下より静弾性係数の低下の方が大きい場合に一つの判定指標にはなる
  • ただし、促進膨張試験後の試験隊の使用はNG
  • また、この方法では今後の劣化程度の推定はできない


アルカリシリカ反応の判定方法③

  • JIS A 1146のアルカリシリカ反応試験法(モルタルバー法)
  • 6ヶ月の試験時間が必要だが、精度は高い


アルカリシリカ反応の判定方法④

  • ASTM C 1260の促進モルタルバー法
  • 80℃1N-NaOH(水酸化ナトリウム)に14日間含浸する
  • 膨張率が0.10%以下なら反応性なし、0.20%以上なら反応性あり。


抑制対策

  • 膨張の拘束プレストレスの導入or鋼板の巻き立て
  • 亜硝酸リチウムの含浸

記述式の解答のポイント

  • 記述式の解答ポイントは、こちらの記事に。
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最後に

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